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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2016年03月22日

スタングレネ

俺達はギルドに併設されている食事処で待ち合わせをしていた。ここが分かりやすいし、持ち込みも自由だからだ。

 今回の俺の武器はアサルトライフル、FN SCARのヘビーバレルに金属製CマグとT字型に突き出ているフォアグリップの下部から仕込み銃剣が飛び出すカスタムモデル。それとリボルバーに念のためードを3つ持ってきてある。

 薬莢受けも大容量だ。おかげで袋がだらんと舌を出すように垂れ下がっている。

「あら、今回はさっきのジュウと違うのね」

「ええ、6発ずつでは足りませんから」

「具体的に何が違う?」

 フレデリックも流れ弾には当たりたくないのか質問してくる。

「あれは6発でしたが、これは100発撃てますDiamond水機。それと、弾がバラバラに飛び散るのではなく、これくらいの大きさですか。その弾が貫通力を持って飛びます。なので、どっちにしろ射線からは離れたほうがいいです」

「そうか」

「100発ってすごいわね」

「ああ、そうだなレイラさん」

 フレデリックは淡白だが、レイラとビリーは驚いている。

「では、案内をお願いします。廃坑は行ったことないんで」

「わかったわDiamond水機。みんな、行きましょう」

 俺達はコボルトの巣に潜ることになった。  


Posted by 世界はとても大きく at 18:13Comments(0)

2016年03月22日

れからはぐれたか追



それからレイラは掲示板に「臨時2名募集 剣1槍1 ハウンドドッグでまずは様子見から リーダー Cランク レイラ」と貼り出していた。そんな単純でいいんだろうか?念のため下級ポーションを1ダース買ってゲートにしまっておこう。中級はレイラと俺の2本でいいだろう。優先順位は大事だ。

「レイラ、ハウンドドッグって?」

「大仰な名前が付いてるけど、ようは群い出された野犬よ。でも舐めてかかると傷口が化膿して病気になったりするんだから。ある意味ゴブリンより厄介なの」

「ゴブリンは太めの木の枝か、良くて拾った刃物ですからね」

 野犬はまずい。牙がケブラー貫通することもあるからな。

「でも、ある程度連携を取れれば致命傷を避けられる相手よ。きちんと防具を着て、首を守っていれば他の仲間が仕留めてくるれるもの」

「そういうものですか」

「そういうものよ」

 俺とレイラが話していると、掲示板を見たのか二人組がやって来た。

「ちわっすレイラさん。掲示板見ました。俺とフレディなんですけど、どうですか?」

「よう」

 革のローブを着た細身の男と、傷だらけだがそれが風格に見える筋肉質な男だ。

「あら、ビリーにフレデリックじゃない。あなた達ならもちろん歓迎よ。ユキト、この子たちは信頼出来るわ」

「こんにちは、雪人と言います。ビリーさんとフレデリックさんですか?俺は遠距離攻撃も出来る槍を使います」

「俺はビリー。Dランクの魔導士だ。ヒーリングも齧っているから怪我しても心配しなくていいぜ」

「フレデリックだ。フレディでいい。壁をやっている。隙があれば叩き潰すがな」

「あー、わりぃ、フレディはちと不器用でな。攻撃も出来る盾役って所だ。よろしくな、嬢ちゃん」
  


Posted by 世界はとても大きく at 18:09Comments(0)

2016年03月16日

んと彼女はうち


実は先日、Zおばあちゃんとモニカさんがクロスオーバーした。
どんな「高級プライベート医院」なんだ!ここは!?
モニカさん、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれないが住所不定の
本名を明かさない浮浪者のおばあちゃんだ。言葉の端々からおそらく
不法滞在者のようだ。職業(と言えるのか?)は空き瓶回収業だと
つい先日聞いた。妙なご縁でなの患者さんとして
居ついてしまった!彼女は3ヶ月に一度ほどのペースでふらりとやってくる。
少しずつお金を貯めて鍼の料金に達したら治療を受けに来るらしい。
それが礼儀だと考えているらしく、必ず綾ちゃんに3ユーロほどの
チップをはずんでくれる。要らないと言ってもどうしても受け取って
欲しいと譲らない。彼女の治療は必ずドクターが全て一人で行うのに。
いつぞやは綾ちゃんがふとモニカさんを後ろから覗いたら薄いズボンが
ぱっくりと5センチ四方位に穴が空いていてこりゃあ大変だと思って
慌ててうちの余っている作業着をあげた。たまたまドクターがサイズを
間違えて買ってきたやつがあって誰も着ないので持て余していたズボンだ。   
彼女にも(というかおそらく負い目があるからこそ)プライドがあるらしく
最初は施しを受けるのをものすごく嫌がったが結局受け取った
ただし彼女はとても穏やかな人好きのする性格でうちでは皆に愛されている。
身なりはみすぼらしくてもおそらくかなり気を遣っているらしく身体は
清潔に保っている。ちっとも臭くないし服だって靴だって汚れてはいない。
これも気を遣ってかドクターがどんなに勧めても決して食べ物を口に
しないしお茶も飲まない蟲草Cs4。いや、「施し」じゃなくって本当にただうちの
ドクターは他人にあれ食えこれ食えというのが好きなだけなんだけどね。
経済的に負い目のない人たちは何のわだかまりもなく「じゃ、ごちに 
なりやす」てな具合なんだけどモニカさんとZおばあちゃんは決して
でも二人を見比べると明らかだ。どう見てもZおばあちゃんの方が
圧倒的勝利で浮浪者に見える。彼女が待合室にいると他の患者さんが
「引いて」いるのがわかるもん。  


Posted by 世界はとても大きく at 18:03Comments(0)

2016年03月16日

自由に揺れていて、美しく、儚い

ぼくは泳いでいる。とても澄んだ水の中。おそらく地上のどこよりも清潔だろう。目は痛くないし、しょっぱくもない。不思議なことに苦しくもない。海でもプールでもない水の中。まるでアニメーションの中にいるみたい。
 視界は明るい。とても。陽の光が射しているためか、キラキラと輝く白い波が何の規則性もなくPretty Renew 冷靜期。同じ形は二度と現れないから。
 ぼくは泳いでいる。そのつもりでいたのだけれど、ぼくは手で水を掻いていないし、バタ足もしていない。大体ぼくは泳げただろうか。よく思い出せない。ぼくは流されているPretty Renew 冷靜期。いや、流れてさえもいない。ただここで、全身を包む美しくも儚い波に身を預けて安心している。預ける? 波に? ぼくはなぜ安心している? 自分のすべてを預けるなんて恐ろしいことを、どうしてぼくはしているのだろう。できるのだろう。
 いつもそうだった。ぼくはただ「つもり」になっているだけで、深く打ち込まれた杭のごとくその一点から動かない。今もそう。考えているつもりで、小さく悩んでいるだけだ。悩むことで、どこか満足している。問題が都合よくどこかへ消えてくれると信じているかのように。要するにぼくは逃げているんだ。「つもり」じゃ何も変わらないとわかっているくせに、居心地の良い一点に頼って、変わりたいという素直な願望を諦めた振りをして、暮らしを守っている。安心に身を預けて。
 突然体がぐんと重くなった。波が一気に潜る。体ごと下へ引っ張られている。底にいる巨大なクジラがぼくを包む水ごと丸呑みしようとしているみたいだ。ゴホッと息が漏れた。慌てた。全身の力を総動員して流れに逆らう。上へ。水面へ向かって手足を必死にばたつかせてもがく。おまえがいくらもがこうと何をしようとそんなことは関係ないと言わんばかりに、絶望的な波の力が、相変わらず美しく儚いままぼくを引き摺りこむ。
 夜を濾したように青が深まり、視界が暗くなる。苦しい。視界に大量の泡がある。ぼくの中にあった空気が漏れてゆく。泡はどんどん増え、ぼくを見捨てて、平和だとわざわざ見せつけるようにキラキラと輝く水面へと遠ざかってゆく。苦しい・・・・・・。でも、死なない。どれだけ苦しくても死なない。そう感じた。それは指先で触れることができるほどの見えない感触があった。もがく。さらに苦しくなる。もがく。苦しい、本当に苦しい。死なない。ぼくは、死ねない。
 罰なんだ。そう思った。いい加減に消費されたぼくの時間が、この先のぼくの時間を支配すると宣言し、罰を与えている。そう認めた。だからといって苦しさが和らぐことは一切ない。もうだめだと呟いた。
 心を前から後ろに貫く低い声が囁いた。耐え難い苦しさが続く。何を呟こうが、「それで?」。いつまでも。地獄だ。
 遂に暗闇に包まれた。もう光は届かない。水が冷たくなり、いつのまにか波は穏やかになっていた。波が美しいかどうか、もうぼくにはわからない。今にして思うと、キラキラと輝いていた白い波に包まれていたとき、音が聞こえていたような気がする。それは音楽のようにメロディーを奏でてはいなかったけれど、聞こえている間は独りではないと安心できる、母の声のような無条件な安堵を含んだ音。気のせいかもしれない。ぼくはゆっくりと沈んでゆく。どれくらい長い時間をかけてどこまで沈んでしまうのだろう。他人事のようだった。だって、ぼくにはもうどうすることもできないから。しかし、皮肉なことに、そんな諦観がぼくの生を支えていることを、ぼくは知っている。
 寒い。体の芯が軋む。こうやってずっと震えたまま死が訪れるのを待つしかないのだろうか。虚しいというより面倒臭かった。なぜ、待つのだ。誰に約束したわけでも、騙されたわけでもないのに。怒りが込み上げて来た。寒さがぼくを鼓舞したのだ。待つ必要なんかない。誰に遠慮することもない。ぼくの人生はぼくのものだ。誰に何を言われようが関係ない。思うとおりやればいい。下っ肚に力を込めた。ギュルルル、と腹が鳴った。体は正直に語る。ラーメンが食べたい。カレーもハンバーグも唐揚げも、寿司も河豚もすき焼きも、ビールもワインもウィスキーも。女も。  


Posted by 世界はとても大きく at 12:53Comments(0)

2016年03月07日

めての子どもが生まれた


朝の七時、雨戸を開けて、昨日はもっと暗かったはずなのにと思う。
日の出はすこしずつ早まっているのだろうけれど、それが突然進むように感じるときがある。

三月になったからだ、と思い、いやまさか、と笑う。
あとひと月たてば夏時間の導入で、そうしたらもう夏はすぐそこまでやって来る。

今がいちばんいい時ね。

これはわたしにとってはじめての子どもが生まれたときに周りの人たちによく言われたことばだ。
わたしはこのことばを時々思い出す。今がいちばんいい時ね。

はじめての子どもはまるで人間の子とは思えず、宇宙人が間違えてわたしのところへやってきたようだった。
わたしはその人にふり回され、夜も朝もわからぬような生活になり、計画や自分の意思とは一瞬にして遠いところへ追いやられた。

そこへ言われた「今がいちばんいい時ね」だったから
わたしは「は、はあっ?なに言ってんのこの人たちは」というのが正直な気持ちで
きっとからかわれているんだなと真剣に思った。

あの頃、わたしは確かに「いちばんいい時」にいたのだろうなあと今はわかる。
そして、それは今も、「今がいちばんいい時」と思うことにつながっている。

日がのびた、のを感じること。
子どもたちが成長していると感じること。
夏が、もうそこまで来ていると感じること。

昨日のことを悔やんでも何も変わらない。
明日のことを憂えてもしょうがない。
今がいちばんいい時なのだもの。

今がいちばんいい時。
気温が上がって花粉で目がかゆくてしょうがないのさえ、まあ、今がいちばんいい時だから、と思うことにしよう。  


Posted by 世界はとても大きく at 15:05Comments(0)
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